明日は我が身の桜ラインの2014年を、ふりかえって

10月31日〜11月05日
福島から緊急の連絡が入りました。見過ごしてはおけない放射能汚染の拡大と、それへの有効な対策が講じられない現状に対して、11月1日に福島市内で、市民有志の集まりを開きたいので、ぜひ参加してほしいとのお知らせでした。
「明日は我が身の桜ライン事務局」の私たちは、10月31日の夜、愛知を出発して、ひたすら福島を目指して走り、福島市内の会場に向いました。

東日本大震災とそれに続く福島第一原発事故から3年8ヶ月が過ぎ、世間では被災地に対しても、フクシマに対しても、ひとびとの関心が、少しづつ薄れているように感じられます。
しかし福島では、実際には、放射能汚染が今も深刻な状況にあるにもかかわらず、ほとんど放置されているに等しい現状に、市民の不安はつのっています。

この日の話し合いのなかで、ひとりでも多くのひとびとと手を結び、自分たちにできる最大限の努力をしようと誓い合い、会合を重ねて、さらにその方策について具体化を急ごうと申し合わせました。
同時に、11月4日に予定されている、特定避難勧奨地点の指定解除に向けてひた走る日本政府の方針に抗議する南相馬市民の行動と連携することも、申し合わせました。
11月4日当日は、南相馬市から駆けつけた大勢の市民とともに、福島市内の復興庁事務所に行き、南相馬市の現状を口々に訴えるとともに、具体的な資料を添えた陳情の要望書を手渡し、その後、福島県庁内で、報道機関に記者会見して訴えました。

11月4日 福島の復興庁に陳情に

南相馬市の大勢の住民が、支援のひとびと共に、福島市の復興庁現地対策本部を訪れました。
事前に伝えておいたのに居留守を使って、面会を拒む様子に、みんな怒り心頭でしたが、粘り強く折衝して、事務所内に入り、要望書を読み上げ、受理させました。
これに対する回答は、現在も寄せられていません。
国の常套手段なのかもしれませんが、これまでそんなことを考えたこともなかった住民の、日本国への信頼は、大きく揺らいだと言えるでしょう。

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その後、一行は県庁での記者会見にのぞみました。
ここでも、区長をはじめとする地域住民の訴えは切実で、聴く者の深い共感を呼ぶものでした。
この南相馬市の避難勧奨地点住民の行動は、全国に散らばり、さらに拡大し続ける、福島第一原発事故被災者を、救援し援護する先頭に立つものとして、大きな評価が与えられるべきものだと、多くの人が感じたことでしょう。

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11月13日
東日本大震災の、あの津波被害に対する防災対策を、総括的に検討するための、日本土木学会主催の第61回海岸工学講演会に、参加しました。
名古屋市内での開催でしたが、大勢の専門家の参加で、広い会場も満席でした。
被災地に近い場所での開催なら、より多くの市民の参加も可能だったろうと、少し残念です。
 
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やはり、東北の生態系豊かで美しいリアスの海を、子孫のために末永く残して行くには、コンクリートで固める現在の復旧と防災工事のありかたには、問題があることが浮き彫りにされた反面、これまでの方法をよしとする見解も根強くあり、前途は必ずしも楽観を許されないと、改めて再認識させられました。
議論の中で、50年に一度、100年に一度の大災害に、どう対応するかが課題であるならば、現在進めているようなスピードで、議論も尽くさず、工事だけを進めようとするのではなく、10年、20年、50年とかけて、ありとあらゆる角度から、ありとあらゆるひとびとの叡智を結集するというやりかたもあるのではないか、との提言は光っていました。

11月26日
「明日は我が身の桜ライン」のエゾヤマザクラを育ててくださっている、広葉樹の育苗の世界的権威の岐阜県瑞浪市の山口さんをお訪ねしました。
この一年の報告やら、来年、来年以降に向けての相談やら、お話のつきない、楽しい時間でした。
山で採取した種子の選定作業中にお邪魔したのですが、現在育苗中の5000本のほかに、来年以降は、もっとたくさんのエゾヤマザクラの育苗が始まるとのことでした。
私たちの植樹は、追いついて行けるのでしょうか。タイヘンです。

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そのへ9続く

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